楽吉左衛門さんのテレビ番組を見終わって。


あぁ~、やっぱ、感想を言わざるを得ないよなぁ。

愚痴っぽくなるから、云うのは止めとこうかと思ってたんだけど、
治まりそうもないんで思いきって、吐露します。


皆さんも、あのテレビはご覧になられた方は、多かったんではないですか。

見た感想としては、「とても良かった!。」「メッチャ、良かった!」
以外の感想は無いですね。

ホント、ヘンな陶芸の本を読むより、このテレビを繰り返し見た方がよっぽど
為になるんじゃないか、と思うくらい良かったです。

特に、 「伝統と革新の振り子運動」「火に託す」 というフレーズ。

「振り子運動」というのは、前衛的な茶碗を作る時、樂家が代々作ってきた
伝統的な茶碗も必ず作るという話でしたし、「火に託す」というのは、絵画や
彫刻といった他の芸術と大きく異なる「焼く」という行為を必ず経るモノだと
いう話でした。

どちらの内容も、個人的に今までずっと感じてきてたことでしたから、それを
楽吉左衛門さんが説明してくれたということで、ものすごく実感できましたね。

だから、よく楽吉左衛門さんもテレビに出ることを了解したなぁとか
誰がくどき落としたのかなと、感心しましたし、ちょっとやそっとじゃ
できない企画だなぁとも、思いましたね。

それほど感動した番組だったんですけど、周りの方々は違う反応が
多かったですね。


中でも、陶芸されてる方々の反応は、顕著に違いました。

先ほどのフレーズなんかには目もくれない感じで、「茶碗を削る」「釉薬を塗る」
「茶碗を焼く」といった作業工程には注視していたみたいですね。

『あれだけでは、どうやって作っているのかよく分からん。』
『もっと見せてくれんと、あれじゃあダメだ。』
といった類の声もよく聞きました。

陶芸をされてる方々からすれば、作り方というのが最大関心事なので、
作業工程にしか興味が無くなってしまってるんですね。

子供が大人になるにつれて、純真さを失っていくかのような、
そんな反応でしたね。

とても残念なことです。


でも、作り方以外のことでも、ホントに良いこと、大切なこと、大事な事を、
話していたと思うんですよ。

「伝統と革新の振り子運動」にしろ「火に託す」にしろ、直ぐに直接的に、
ではないにしても、必ず陶芸に役立つことですからね。

いい作品を作るには、当然正しいちゃんとした技術は要ります。
と同時に、正しい考え方、正しい姿勢も必要です。

ある意味、作り方よりも大事なことかもしれませんよね。


楽吉左衛門さんは、このテレビ番組に進んで出演したかった訳ではなくて、
NHK或いは他の人の働きかけにより、最後には「出よう」と決意され、そのうえで、
出るからには、自分の思いは出そうとされたんではないかなぁ~と、
個人的には思うんですよ。

いや実際は、そうじゃないかもしれませんよ。

でも少なくとも、この番組を通じて最も伝えたかったのは、
茶碗の削り方、釉薬の塗り方、茶碗の焼き方ではなかったハズ。

それは、はっきりしてるんじゃないでしょうか。
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by tano4sou | 2013-01-17 21:13 | 雑感
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