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器は、盛られてナンボ?!。


焼き物の中で多く作られるものと云えば、「食器とか花器とかの
いわゆる“器”と云われるもの」には、さほど異論はないハズです。

最近は、料理が盛り付けられたり、花が活けられたりしている時が、
器が一番輝いている時なんじゃないかとさえ、思うようになりました。

かといって、料理を盛り付けた写真を撮るのって、なかなかタイミングが
あわなくて、難しいんですよ。

結果、料理のない器だけ、という状態になってしまうんですね。


でも、今日は違いますよ、料理を盛り付けた写真を紹介します。

まずは、この写真から。

器は、盛られてナンボ?!。_c0018051_2013650.jpg

牡蠣を焼いた、“焼き牡蠣”。

「えっ!。これが料理?。」って言われるかもしれませんが、牡蠣を焼くという
れっきとした料理です。

まぁ大事なことは、器(これはお皿です)がどうかってことですからね、
それで云えば、全体の雰囲気としてはいいんじゃないでしょうか。

牡蠣との色合いも悪くないし、周囲のギザギザしたところも違和感がないし、
落ち着いた感じじゃないっすかね。

いい感じで使われてますよね。


もう一つの写真は、こちら。

器は、盛られてナンボ?!。_c0018051_20132894.jpg

備前焼を彷彿とさせる茶褐色の鉢です。

何と云っても、デカイ、ですよね。

料理とかお箸を見れば、その大きさが何となくお分かり頂けると思いますし、
大きい器にゆったり料理を盛り付けるのも、案外イイですよね。

器の色も濃い色ですから、料理の中のきつね色とか緑色とか白い色などが
結構映えてますね。

ちなみに料理は、“イワシの南蛮漬け”でした。


もちろん、写真の中の料理をいただいたのは、云うまでもありませんね。

とても美味しかったです。
ごちそうさまでした。
# by tano4sou | 2013-01-21 20:29 | 盛り付け

「樂吉左衞門さん」特集の、『芸術新潮』。


正月の「樂吉左衞門さん」を取り上げたテレビ番組は、皆さん良くご覧になってたようで、
やはり話題にはよく上ってきます。

なかなか共感しあえないと愚痴っぽいことをいったりしてる私のような者もいれば、
「楽焼の作り方を初めて見れて、良かった。」という方もいらっしゃったり、ホント
見た感想は人それぞれだなぁと感じています。


そう云えば以前、『芸術新潮』という雑誌で、「茶碗・茶室」を特集した号があったことを
思いだしたんで探してみましたら、出てきましたよその雑誌が。

「樂吉左衞門さん」特集の、『芸術新潮』。_c0018051_227649.jpg

『芸術新潮』2008年3月号
〈大特集〉-「樂吉左衞門が語りつくすー茶碗・茶室・茶の湯とはなにか」」

目次は、次のようになっています。

茶碗と茶室一 満月と侘び 村田珠光
茶碗と茶室二 すこやかで骨太なもの
茶碗と茶室三 闇の中へ 千利休
茶碗と茶室四 破格という叫び 古田織部
茶碗と茶室五 遊びの勝利 本阿弥光悦
茶碗と茶室六 彼方への回路 樂吉左衞門


まずは、それぞれの項目について、編集部の方々が取材してまとめた内容(記事)が
最初にあって、その後、樂吉左衞門さんが先ほどの項目について語るという流れで、
ページはすすんでいきます。

その他にも、それぞれの人物が生きた時代について、解説されているページもあり、
ボリューム満点という感じですね。

事実、約90ページにも渡って紙面を割いていますので、十分読み応えのある内容に
なってると思いますね。


購入した時には、じっくり読もうと思ってたんですけど、ちょこっと拾い読みだけして、
そのままになって“積ん読”状態になっていました。

せっかく素晴らしい番組を見させてもらったので、これをきっかけにまた
読もうと思います。

樂吉左衞門さんが語られているテレビ番組をみて興味をもたれた方、
楽焼きに限らず茶碗をメインに作られている方、
特に、オススメです。

きっと、茶碗に関しての、新しい見方、捉え方ができると思いますよ。
# by tano4sou | 2013-01-20 22:16 | 陶芸・やきもの雑誌&本

「顔皿」の魅力って“怪しげさ”?!。


「顔皿」の魅力って“怪しげさ”?!。_c0018051_23465520.jpg

この写真は、昨年末の12月30日に紹介した「クレイスタジオ・ゲン」の
三宅玄祐さんのお皿です。

私が勝手に「顔皿」と呼んでるお皿ですが、製作した時には、写真の作品以外にも
様々な「顔皿」が出来上がっていました。

その後のイベントやら何やらで、何枚も売れたということでしたが、
他のモノもちょっと紹介します。


まず一枚目は、先ほどのお皿と同じような白地ベースのお皿。

「顔皿」の魅力って“怪しげさ”?!。_c0018051_2345171.jpg

顔の表情が全くもって、オリジナリティーの度が過ぎるくらい、独特です。

「パッと見」だと違和感を感じるかもしれないですけど、これは見慣れてくると、
また違った印象を受けるかもしれないですよね。


それから、もう一枚は黒地ベースのお皿です。

「顔皿」の魅力って“怪しげさ”?!。_c0018051_2345426.jpg

光の関係でグレーっぽく見えますけど、これは多分“黒”っぽい土じゃないかと
思います。

こちらも顔の表情が、先ほどに負けず劣らず独特だし、顔の回りの色が、
案外映えて見えるのは意外でしたね。


白地と黒地、どちらの「顔皿」も、冒険したうえでの“表現”とは思いますけれど、
どことなく「怪しげな感じ」はしますね。

でも、 その「怪しげさ」が良いんですよね。
# by tano4sou | 2013-01-19 23:57 | 出会った作家作品

“緑色に焼き上がった”焼成サンプル見本。


日頃はなかなかお目に掛かれない焼成見本ですが、たまたま
二つの焼成見本を見ることができました。

ひとつは、楽焼釉薬の焼成見本。

“緑色に焼き上がった”焼成サンプル見本。_c0018051_22575.jpg
“緑色に焼き上がった”焼成サンプル見本。_c0018051_2251515.jpg

何て云ったかなぁ~。
確か、「渋緑釉」って、云ってたような気がします。

もちろん、楽焼き釉薬ですよ、本焼釉薬じゃないです。

単調な色合いではない、細かい斑点というか亀裂というか、
非常に小さい模様があって、それなりの雰囲気がありますよね。

楽焼きで緑色と云うのも、珍しいですしね。


それからもう一点は、「深海ブルー御影土」という粘土の焼成見本。

“緑色に焼き上がった”焼成サンプル見本。_c0018051_20123664.jpg
“緑色に焼き上がった”焼成サンプル見本。_c0018051_220979.jpg


白とか黒の御影土はよく見かけると思いますが、「深海ブルー」とは
ちょっと珍しい御影土だと思いますね。

右側の釉薬を掛けた色合いもイイですが、左側の無釉の焼き上がりも
案外いいかもしれないですよね。
 ( ※ 上段が酸化焼成、下段が還元焼成。 )

釉薬の種類によっては、近い感じを出せるかもしれませんが、
焼き締めの色合いの方は、珍しいですね。


こういう変わった粘土や釉薬でも、使いこなすことができればまた、
表現の幅が広がりますよね。
# by tano4sou | 2013-01-18 22:19 | 道具・材料は大事

楽吉左衛門さんのテレビ番組を見終わって。


あぁ~、やっぱ、感想を言わざるを得ないよなぁ。

愚痴っぽくなるから、云うのは止めとこうかと思ってたんだけど、
治まりそうもないんで思いきって、吐露します。


皆さんも、あのテレビはご覧になられた方は、多かったんではないですか。

見た感想としては、「とても良かった!。」「メッチャ、良かった!」
以外の感想は無いですね。

ホント、ヘンな陶芸の本を読むより、このテレビを繰り返し見た方がよっぽど
為になるんじゃないか、と思うくらい良かったです。

特に、 「伝統と革新の振り子運動」「火に託す」 というフレーズ。

「振り子運動」というのは、前衛的な茶碗を作る時、樂家が代々作ってきた
伝統的な茶碗も必ず作るという話でしたし、「火に託す」というのは、絵画や
彫刻といった他の芸術と大きく異なる「焼く」という行為を必ず経るモノだと
いう話でした。

どちらの内容も、個人的に今までずっと感じてきてたことでしたから、それを
楽吉左衛門さんが説明してくれたということで、ものすごく実感できましたね。

だから、よく楽吉左衛門さんもテレビに出ることを了解したなぁとか
誰がくどき落としたのかなと、感心しましたし、ちょっとやそっとじゃ
できない企画だなぁとも、思いましたね。

それほど感動した番組だったんですけど、周りの方々は違う反応が
多かったですね。


中でも、陶芸されてる方々の反応は、顕著に違いました。

先ほどのフレーズなんかには目もくれない感じで、「茶碗を削る」「釉薬を塗る」
「茶碗を焼く」といった作業工程には注視していたみたいですね。

『あれだけでは、どうやって作っているのかよく分からん。』
『もっと見せてくれんと、あれじゃあダメだ。』
といった類の声もよく聞きました。

陶芸をされてる方々からすれば、作り方というのが最大関心事なので、
作業工程にしか興味が無くなってしまってるんですね。

子供が大人になるにつれて、純真さを失っていくかのような、
そんな反応でしたね。

とても残念なことです。


でも、作り方以外のことでも、ホントに良いこと、大切なこと、大事な事を、
話していたと思うんですよ。

「伝統と革新の振り子運動」にしろ「火に託す」にしろ、直ぐに直接的に、
ではないにしても、必ず陶芸に役立つことですからね。

いい作品を作るには、当然正しいちゃんとした技術は要ります。
と同時に、正しい考え方、正しい姿勢も必要です。

ある意味、作り方よりも大事なことかもしれませんよね。


楽吉左衛門さんは、このテレビ番組に進んで出演したかった訳ではなくて、
NHK或いは他の人の働きかけにより、最後には「出よう」と決意され、そのうえで、
出るからには、自分の思いは出そうとされたんではないかなぁ~と、
個人的には思うんですよ。

いや実際は、そうじゃないかもしれませんよ。

でも少なくとも、この番組を通じて最も伝えたかったのは、
茶碗の削り方、釉薬の塗り方、茶碗の焼き方ではなかったハズ。

それは、はっきりしてるんじゃないでしょうか。
# by tano4sou | 2013-01-17 21:13 | 雑感