今回は、作品の見方というか見る視点に関係する事について書いたものですが、 陶芸をされている方々にはちょっと耳障りな内容かもしれません。 あくまで個人的な見解でもありますし、「まぁ、こんな風に考える人もいるんだね。」 ぐらいに受け取っていただけたらいいのかも、です。 いつも感じることなんですが、陶芸をされてる方々は、美術館や個展会場では、 よく写真を撮ったり(個展会場で許された場合のみ)、やきもの作品を食い入るように 眺めていたりすることが多いですよね。 焼き物の勉強の為にされてるんですもんね。 でも、作品そのものは、あんまり見ていないことが多いように感じます。 「イヤッ、よく見てますよ!。」と反論されるかもしれませんが、 実際はそうじゃないことが多いですね。 それは、作品を見ているんではなくて、「作業を見ている」という事なんですね。 ねっ、一瞬「あっ!」と思ったでしょう。 つまり、「作業を見ている」とは、「土はなんだ?」とか「釉薬は何の釉薬だ?」、 「釉薬のかけ方は、どうやって掛けてるんだ?」とか「カタチはどうやって作ってるんだ?」 そういった行為に、目がいっている、意識がいっている状態の事ですね。 要は、それにしか興味が無いことですね。 また、個展会場に作家さんがいらっしゃれば更に、「何度で焼くんだ?」、 「何時間焚くんだ?」といった行為も、追加されますよね。 だから、陶芸の工程において全てですから、どんどん出てきます。 数えればキリがありませんね。 「確認したい」「知りたい」。 気持ちとしてはよぉ~く理解できますが、それだけではうまくいかないです。 「作業をみることはダメ」とは、言わないです。 そりゃあ、技術も追及しないと上達もしない訳ですからね、それも必要です。 要は、これもバランスの問題でね、もう少し「作品を見ましょう」という事ですよ。 「もっと作品を味わいましょう」ということですね。 作品を前にしたら、いろんな印象を受けるじゃないですか。 いろんな感情が湧いてくるじゃないですか。 この発想はどこからくるんだろうとか興味がでてくるじゃないですか。 まず、それをしっかりと受け止めましょうよ。 それから、自分なりに土とか釉薬とかのことを推測したらいいんですから。 今は余りに、作品と対峙した際の余韻に浸らなさ過ぎます。 心の内に生じた余韻を大切にしないと、周りの人の心を揺さぶるような作品は できないんじゃないかなぁと、思います。 でもね、「あなたには、関係ないでしょ!。」って言われそうでもありますけどもね‥‥。 ※ 先日お邪魔したお宅で、かな文字の書を掛軸(茶掛)にされてて、 雰囲気が良かったので、撮らせてもらいました。
by tano4sou
| 2012-08-09 23:52
| 雑感
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