サラリーマン時代に勤めていた会社の社長と久し振りに会いました。 今度、発表会をする計画なので、“作品に対する意見を聞かせてほしい”と。 私なんかに聞いても、大したことはないと思うんですけど、 第三者の意見を聞きたいという気持ちは解らなくもないです。 発表するのは、「書」。 でも、俗に云う、一般的な書道とは違います。 それは、独学で書をかき綴ってきたこととか、「オモシロイか面白くないか」 「あじがあるか、ないか」といった物差しで観るような作品なので‥‥。 字の“上手い、下手”とは関係ない作品なんですよ。 例えば、作品はこんな感じ。 これは、かつて社長時に書いていた作品。 発表会の候補作品のひとつです。 (もちろん折りジシワはとられると思います) どう感じられるかは、人それぞれあるでしょうが、個人的には“好き”です。 それからこのような作品も。 これも以前、会社を経営していた時にかかれた書。 写真では伝わってるかわかりませんが、エネルギーに溢れた作品です。 拝見させてもらった内では、最近の書よりも昔にかかれた書の方が、 断然いいなぁと感じましたね。 個人的には、ですよ。 それは、一つには、昔の方がエネルギーに溢れていたこと。 二つ目は、写真のように「一文字」だけとか「ワンフレーズ」のみが多くて、 作品の中に空間があったこと。 三つ目は、経営をしてる中から溢れ出た言葉を書いていたこと。 それに引き換え最近では“世捨て人”みたく、悠々とした生活を送られてますし、 全てを伝えようとして、やや文章が長いような書になっていたりしますので、 魅力が無くなってるのは、ある意味仕方のないことかなと思います。。 そこでふと、気付きました。 これって、「書」に限ったことじゃないな、と。 陶芸や焼き物にも、十分通用することだと思います。 作陶する時には、心の在り方、取組み方が大事だし、 絵付けなどでは“空白”や“間”が重要。 それに、全てを伝えようとするんじゃなくて、「半分若しくは三分」くらいで 丁度なんだということ。 すると、観ている人が自分自身に振り返って色々と感じて、 作品に思いを馳せることができる。 つまり、出来るだけ要らないものは削ぎ落して、残ったモノを 磨かないといけないんですね。
by tano4sou
| 2012-10-30 23:45
| 雑感
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